<安眠妨害ラブコール>



夜中に鳴り響く着信音。

眠い脳を必死になって覚醒させて携帯を手に取ると。

そこには「井本」の名前が表示されていた。


「もしもし?」

『おう』

「何か用なん?」

『用なんかないわ』

「・・・」


最近、毎晩のようにかかってくる井本からの電話。

おかげで俺は寝不足。

何故なら、必ずと言っていいほどに俺が眠っている時にかかってくるから。


「俺、眠いんやけど・・・」

『寝たら明日殴る』

「・・・」


特に大した話があるわけでもなく。

井本と俺は10分くらい他愛もない話をする。

それの繰り返し。

毎晩かかってくる井本からの電話。


「井本、そろそろマジで・・・」

『・・・切るで』

「明日な」


プーッ、プーッ、プーッ。

いきなり切れた電話に溜息をついた。

そのまま携帯を握りしめたまま眠りに入る俺。

「・・・」

ほとんど夢の世界へと入っていきながら朦朧とした頭で考える。

井本は、何で電話をかけてくるんやろ?

眠くないんか?・・・・・・・あかん、眠い・・・。

「・・・zzzz」

とりあえず、明日会った時に聞いてみよう。




翌日。

「井本、おはよう」

「おう」

「なぁ、井本ー」

「あ?」

「お前、何で電話してくるん?」

「・・・嫌か?」

「嫌ちゃうけど、夜中はきついで」

「・・・・藤原」

「ん?」

「今夜、泊まり来い」

「・・・・なんで?」

「ええから来い」



end


コメント

えーとですね、井本さんは寂しいんですよ。

でも藤原さんの安眠妨害するのは少し胸が痛むので、自分の家に呼んだんです。

どっちにしたって睡眠不足になるのにねっ(死)

ごめんなさいね、こんな管理人で。

この小説はクイズ正解を報告してくださったタカキセツさんに捧げます。

よかったらお受け取り下さい。