<未来と現在の貴方に>



「うわぁぁぁぁぁんっ!」

「・・・はぁ」

沢田家に響きわたる牛ガキ・・・もとい、ランボの泣き声にツナは溜息をついた。

どうしてこんなことになったのか。

元はといえば、ランボがリボーン暗殺に来たのが始まりなのだが・・・。

もはやお約束というか、日常の一部というか・・・あまりに変わりばえのない奇襲に飽き飽きしたリボーンがいつものごとくランボの投げた手榴弾を見事に打ち返し、それを顔面に受けて大泣きしはじめたランボをツナにまかせて自分は出かけてしまったのだ。

「うわぁぁぁぁぁぁっ!」

「・・・いい加減、泣きやんでよ」

「うぎゃぁぁぁぁぁぁっ!!」

「もう・・・俺が泣きたい・・・」

なかなか泣き止んでくれないランボをどうすればいいかもわからず、ツナは再度溜息をつく。

と、その時。

「あ、そうだ・・・」

ツナは何かを思いだし、自分の机の中からあめ玉を取り出した。

そして、すぐさまランボにあめ玉を差し出す。

「ランボ、飴食べる?」

「うわぁぁぁぁ・・・・う?あめ?」

「葡萄味だよ」

「食べるっ!」

「じゃあ、泣き止んでくれる?」

「ランボさんは飴食べるとご機嫌になるぞ!」

「じゃあ、はいっ」

飴の包みをあけ、ツナの手に転がった飴をランボの口の中に入れてやると・・・。

先ほどまであんなに泣いていたというのに、ランボはニッコリと笑顔を浮かべた。

「美味しい?」

「美味しいぞっ!」

「よかった・・・」

ツナが安堵の溜息をつくと、ランボがツナの膝の上によじ登る。

「ランボ?」

「ランボさんは抱っこされるともっとご機嫌になるぞっ」

「・・・素直に甘えたら?」

しかし、そう言いながらもツナの表情は優しい。

一人っ子なツナはランボといると、まるで兄弟のような感覚を覚えていた。

「ランボが弟だったらな」

「・・・ツナは弟がいいのか?」

「え?」

「ランボさんは弟じゃイヤだぞ」

「・・・俺じゃ頼りない?」

「違うぞ!ランボさんはツナのこと大好きだぞ!」

「?」

「ランボさんはっ・・・」

ランボが何か言おうとしたその時・・・。

部屋のドアが勢いよく開けられた。

入ってきたのは・・・満面の笑みを浮かべた獄寺。。

「十代目ーっ!」

「あ、獄寺くん・・・」

しかし、ツナの膝の上に乗っているランボを見るなり、その顔は夜叉へと変わり・・・。

「・・・牛ガキ!てめぇ、何してやがるっ!!!」

「ご、獄寺くん!?」

「十代目の膝からどきやがれーっ!」

獄寺はダイナマイトに火を・・・・・・つけようとしたが、ツナの家ということもあってか何とか自制心を抑え、ランボの首根っこを掴み上げた。

「うわぁぁぁぁぁっん!」

その恐怖からか、またもや泣き出してしまうランボ。

「獄寺くん!」

「十代目、コイツを甘やかしちゃダメですよ!」

「でも、相手は子供なんだからっ」

「そんなんじゃコイツがつけあがるだけです!」

「でも・・・」

「うわぁぁぁぁぁっ!」

ランボの泣き声が最高潮に達した、その時。

ガチャッ・・・という音が聞こえた。

「あっ!!」

ツナが声をあげたがすでに遅し。

ランボは10年バズーカを自分に向かって撃ってしまっていた。

「うわっ!」

途端にあがる爆発音と煙に獄寺がむせる。

「げほっ!!」

「あ・・・」

少しして煙がおさまった頃、小さいランボの代わりに10年後のランボがそこにいた。

「こんにちは、若き日のボンゴレ十代目」

「やぁ・・・ランボ」

「また10年前の俺が誰かに泣かされたんですか?」

「うん、まぁ」

「今回は誰に・・・・・ああ、スモーキン・ボムですか」

「あ?やるか?」

「いえ、貴方にはよく泣かされましたね」

「ごめんね、また呼び出して」

ツナがランボに頭を下げた。

すると、ランボは目を細めて微笑む。

「貴方が謝ることじゃありませんよ。私なんかに頭を下げないでください」

「そうっすよ、十代目!!」

「でも・・・」

「私は若き日のボンゴレ十代目に会いたいと思っていましたから」

「え?////」

「会えてとても嬉しいです」

そう言うと、ランボは跪いてツナの手の甲にキスをした。

「っ/////」

そんなランボの行動に意味不明な叫びをあげる獄寺と顔を赤くするツナ。

「ら、ら、ランボ?////」

「おっと、そろそろ時間のようなので・・・では、また会いましょう」

「う、うん・・・またね////」

「さっさと帰りやがれ!!」

そして、途端にあがる煙と共に現れたのは小さい方のランボ。

「ツナっ!」

見ると、何故か泣き止んでいる。

「あれ?ランボ、泣いてないね」

「おうっ!あっちのツナが飴くれたんだぞ!」

「十年後の俺が?・・・どうだった?」

「どうだったって?」

「んと・・・」

「今のツナと同じくらい優しかったぞ!」

「・・・・そっか」

ランボの言葉にツナは微笑んだ。

そして、ランボをまた膝の上に乗せてやる。

「よかったね、ランボ」

「ランボさんは今のツナも十年後のツナも大好きだぞ!」

「・・・俺も////」

「ツナ、顔赤いぞっ」

「き、気のせいだよ!」





一方・・・。

「十代目・・・俺を無視しないでください(泣)」

獄寺は泣いていた。



end


コメント

ランツナが好きな私。

いいなぁ、ランツナvv

好きだ、ランボーーーっ!!!