<兎は寂しいと死ぬんです>



僕の心はいつだって寂しいです。

それは、胸にぽっかり穴があいてる感じ。

貴方がいてくれないと、僕は死んでしまいそうになるんです。




「俺、兎なんですよ」

「・・・兎って、動物のか?」

「それ以外にないです」

「・・・お前、兎やったん?」

「はい」

「知らんかったわ」


そう言って、彼は微笑んでくれた。

それに応えるように微笑み返すと、その温かくて大きな手が髪に触れる。


「・・・俺、徳井さんに髪触られるの好きです」

「俺もこうしてるの好きやで」

「なんか、気持ちいいんですよね」

「俺も気持ちええよ。サラサラしてて触り心地ええねん」



ニッコリと笑ってみせれば髪を梳いてくれる貴方が好き。

だからもっと触れていて。

この少しだけの時間が僕にとってどんなに大切な時間か。

貴方にも知ってほしいから。



「お前、兎なんやろ?」

「はい」

「じゃあ、寂しいと死ぬん?」

「はい」

「・・・今は?」

「徳井さんがいてくれるから寂しくないです」

「ふーん」

「徳井さんが帰っちゃったら寂しいです」

「死んじゃうんや」

「死んじゃいます」

「・・・今日はずっと一緒にいたるから寂しくないやろ?」

「はい」



でも、貴方は帰ってしまうでしょう?

僕から離れていくのでしょう?


そう考えるだけで死んでしまいそう。



「徳井さん、好き?」

「好きやで」

「・・・俺も、好きです」




僕が死んだら貴方のせい。

だから、どうかお願いだから。




僕を寂しくさせないで。




僕を殺さないで。


ずっと、そばにいてください。



end


コメント

徳梶・・・。

何故か書きたくなった。

レキさんに強制的に贈らせていただきます。

すいません、いつも押しつけて。