<毒林檎>



お前に林檎をあげようか?

赤い赤い、真っ赤な毒林檎。

一口食べてごらんなさい。

すぐにお前は俺のもの。





「・・・阿呆らし」


そう呟いて、退屈しのぎに読んでみた白雪姫の絵本を放り投げた。

「あ、何すんねん!」

すると、即座に聞こえてくる抗議の声。

そんな声を無視して絵本を拾う藤原を横目で見やる。

どうしてこんなガキくさいものがコイツの部屋にあったのかは知らんけど、あまりにキャラと離れすぎてて笑えへん。

「・・・ガキくさ」

「ええやろ、別に」

「なんや、それないと眠れへんとか言うんか」

「・・・そういうんとちゃうわ。せやけど、小さい頃から大事にしてんねん」

「ガキ」

「うるさいわっ////」

「・・・」

顔を赤くして怒る顔に下半身と加虐心が刺激される。

ほんま、俺はコイツにどこまでも溺れてるらしい。

・・・あんまり認めたくはないねんけど。

「藤原ぁ」

「ん?」

「林檎、食いたい」

「・・・いきなり言われても・・・・」

「食いたい」

いつもの俺の我侭に藤原の顔が歪んだ。

あきらかに呆れているのはわかる。

せやけど、コイツが俺の我侭を絶対に受け入れてくれるのを知ってるから。

俺はコイツに甘えるのかもしれへん。

「・・・」


我ながら、ガキくさいと思う。

人のこと言えへんわ。


「井本、林檎ないから買ってくるわ」

「おう」

「すぐ戻るから」

「早よ行け」



ほんま言うと、林檎なんか食いたない。


お前に猛毒の林檎を食わせたい俺の我侭。


いっそ、毒林檎で死んでまえと思う。

そしたらお前は俺のものやん?


王子様のキスで目覚める必要なんてどこにもない。

お前が俺のそばで眠り続ければそれで満足なんやから。



「歪んでるわ」



毒林檎は歪んだ愛の証やねん。

早く一口食べてみろ。


すぐにお前は俺のもの。



end


コメント

井本さんが恐い。

藤原さん、可哀想。

これ打ち込んでる間、ずっと頭のなかで藤本さんの浜あゆが・・・。

サマスマ見たいなぁ。