<元気の源>
仕事が終わって楽屋に戻れば、そこに相方の姿はなかった。
広い楽屋にいるのは一匹の小猿。
一人寂しそうにゲームをする小猿がそこにいた。
「西野は?」
「・・・いません」
声をかけると、素気ない返事が返ってくる。
漫才中はあんなに明るいくせに、楽屋だと人が変わったように暗い。
「何のゲームしてるん?」
「なんだっていいじゃないですか」
「・・・」
多分、俺のことを鬱陶しいとでも思ってるんだろう。
梶原の顔があきらかにそう言っていた。
「・・・・」
でもな、好きな子が寂しそうにしてんのに放っておくほど。
俺は冷たい奴やないで?
「・・・梶」
「なんすか」
「コンビニ行こうや」
「・・・は?」
「しばらく仕事空いてるんやろ?行こうや」
「・・・いいです」
「そんなこと言わんと、行くで」
「ちょっ・・・陣内さん!?」
あ、やっと俺の名前呼んでくれたな。
どうせなら下の方で呼んでほしいんやけど、それはまだ早いやろ?
「なに?梶」
「・・・強引」
「せやな」
細い腕を掴んで、半ば無理矢理に梶を外に連れ出した。
強い日差しに梶が目を眩しそうに細める。
「梶、何か食いたいもんあるか?」
「・・・肉まん」
「じゃ、買うたるわ」
「・・・・・・陣内さん」
「んー?」
「・・・・・・ありがとうございます」
「え、何?」
「何でもないです!/////」
赤くなったってことは、脈ありなん?
期待してもええってこと?
「梶、もっと元気ださなあかんで?」
「・・・・はい////」
とりあえず、お前に元気の源でもあげようか。
end
コメント
陣梶でーす。
あはははは。