<偏食はやめましょう>
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「徳井くんの分からず屋!!」
「福の阿呆!!」
「もう知らん!」
・・・とある夜、徳井くんと喧嘩した。
徳井くんは怒って部屋を出ていって、残された僕は黙って食卓を片づける。
だけど、徳井くんが悪いんや。
僕は徳井くんの為を思って、なるべく徳井くんが食べやすいようにしたのに・・・。
徳井くんは椎茸が嫌いやねん。
せやから、なんとか好き嫌いをなくしてあげよう思って・・・。
徳井くんは天ぷらソバが好きやから、椎茸を天ぷらにしてソバにつけてあげたのに・・・。
「福ーvv今日の夕飯なに?」
「天ぷらソバ。徳井くん好きやろ?」
「めっちゃ好きvv」
「さ、出来たで。早く食べよ」
「いただきまー・・・福、これは何や」
「天ぷら」
「そうやないっ!これ椎茸やんか!!」
「そうやけど?」
「俺が椎茸嫌いなん知っとるやろ!」
「でも、好き嫌いはよくないで」
「福やって冷麺嫌いやろ!」
「椎茸は栄養あるんやで」
「好かんもんは好かん!」
「・・・でも」
「大体、俺の嫌いなん知ってて出すなんて信じられへん!」
「なっ、なんやねん・・・その言い方」
「福、この間のやつ根に持ってんやろ」
「は?」
「俺が饅頭食うたら怒ったやんか!」
「・・・そ、そんなわけないやろ!!徳井くんの分からず屋!!」
「福の阿呆!」
「もう知らん!!」
・・・そして、今に至るゆうわけや。
「・・・徳井くんの阿呆」
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「福の阿呆!!」
「・・・うるさい」
「あ、すみません」
「つうか、何で俺の家に来んねん」
松口に横目でジロリと睨まれ、徳井は苦笑した。
「ここしか思いつかなかったんです」
「・・・他に行くあてあるやろが」
「松口さんは俺の家の合い鍵持っとるし」
「お前が勝手に渡したんやろ!」
「それより、ほんまに福のやつは・・・」
「・・・さっきから何回も聞いとるわ」
「せやかて、酷いやないですか!」
「お前の為にしたんやろ」
「・・・俺のため?アイツは俺がどれだけ椎茸嫌いか知っとるんですよ?」
「せやから、お前の偏食をなおさせよう思ったんやろ。お前、わかったれよ」
「・・・」
松口の言葉に、徳井は俯いた。
そんな徳井に溜息をつきつつ、松口は別の部屋に行って携帯で福田に電話をかける。
「福田か?お前の相方が俺の家に来てるから引き取りに来いや」
携帯の画面を消し、松口は再度溜息をついた。
「世話が焼けるわ、ほんまに」
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ピンポーン!
軽やかなチャイム音と共にドアが開く。
「徳井くん!」
急いで来たのか、飛び込んできた福田の顔は赤い。
「・・・福」
徳井は福田の顔を直視しようとはせず、目線を下に向けていた。
「徳井くん、帰ろう?」
そんな徳井に優しく微笑み、福田が手を差し出す。
その手を遠慮がちに掴み、徳井が頷いた。
「・・・福」
「なに?」
「すまん」
「ええよ。僕もごめんね?」
「ええって、俺の為にしたことなんやろ?」
「徳井くん・・・」
「福・・・」
二人が見つめ合っていると、そこに入る邪魔・・・もとい、松口の咳。
「あっ、すみません松口さん」
「別にええけどな。もう来るんやないで」
「あ、はい」
「ほななぁ」
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「徳井くん、家に帰ったら何しよか」
「んー・・・俺は福とおれたらそれでええわ」
「僕もや」
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end
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コメント
何だコレ?
徳福のつもりなんですが、微妙?
そして何故だか松口さんいるし・・・。
ロック兄が徳井さんの家の合い鍵を持っていると聞いたので。
何故に?
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