<変わらない想い>
・
もし、俺が女だったら・・・。
いつまでも一緒にいられたかもしれない。
だけど、俺たちは男だから。
いつまでも一緒にはいられないんだ。
だから、今のうちに。
まだ間に合うから、手遅れにならないうちに。
貴方に「さよなら」と言うよ。
・
「・・・え?」
「うん、だから別れよう」
「な、なんで?」
「・・・ごめんな」
俺の言葉に、小沢さんは大きく目を見開いた。
信じられないものを見るかのように俺を見つめている。
そんな小沢さんから決して目を離さず、俺は真っ直ぐに小沢さんを見つめた。
「俺たち、このままじゃ駄目なんだ」
決して目を背けちゃいけない。
「だから別れよう」
これは俺のけじめだから。
「相方に戻ろうよ、小沢さん」
「・・・潤」
小沢さんが悲しそうに俺の名前を呼ぶ。
そんな風に呼ばないで、俺の決心が揺らいでしまうから。
「俺のこと、嫌いになった?」
「そうじゃないよ」
「じゃあ、何で?」
「・・・ずっと一緒になんて無理なんだよ」
「俺と潤が男だから?世間が認めてくれないから?」
「・・・」
「そうなの?」
「俺達、別れた方がお互いの為なんだ」
「俺は、世間が認めてくれなくても構わないと思ってる。潤は違うの?」
「俺も、同じだよ」
「じゃあ、何で・・・?」
「・・・小沢さん。一生離れるわけじゃないよ」
「だけど・・・」
「相方として、井戸田潤の横にいてよ」
「俺は潤の恋人でいたいんだ」
「・・・小沢さん」
「潤」
そう呟いて、小沢さんは俺を抱きしめた。
この細いけれど、力強い腕に抱きしめられるのが好き。
だけど、もう終わりにしなくちゃいけない。
「・・・さよなら、小沢さん」
「潤・・・」
・
まだ間に合うなんて嘘。
手遅れにならないうちになんて嘘。
もう手遅れ。貴方以外の人は愛せない。
ずっと一緒にいられないけど。
これからもずっと、貴方だけを想い続けるよ。
「小沢さん・・・好きだよ」
変わらない、貴方への想い。
・
end
・
コメント
小潤で切ない系・・・。
心境の変化ですかねぇ。
何故だか書きたくなりました。
・