<素直な気持ち>
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「田村くーんvv」
「・・・」
背後から聞こえてくる低い声と足音。
振り返らずともわかる独特の低音。
とりあえず、田村は無視を決め込み、すたすたと早歩きをする。
「・・・」
「田村くん、何でそんな急いでんねん」
「お前が来るからや」
「何で俺が来ると逃げんねん」
「そんな低い声で語尾にハートマークつけて呼ぶな!きしょいんじゃ!」
「またまたぁ、この声で名前呼ばれるの好きなくせに」
「阿呆!んなわけあるかい!」
「一昨日も、耳元で名前呼んだら・・・」
「わーーーーっ!!」
ばしっ!!
「いった・・・何で叩くねん」
「場所を考えろ!ここ何処だと思ってんねん!」
「スタジオの廊下」
「わかってんなら言うな!」
田村は顔を真っ赤にして怒鳴った。
そんな田村を見て、川島はニコニコと笑う。
「可愛いなぁvv」
「可愛いことあるか!」
「かわええよ、誰が何と言おうとも」
「・・・阿呆か、付き合ってられへんわ」
「あ。待ってや」
どんどん先に行ってしまう田村を追いかけながらも、川島の顔は嬉しそうだった。
そんな川島に腹が立ってか、または照れからなのか、田村の顔はまだ赤い。
「田村くん」
「あ?」
「素直な気持ちやで?」
「はぁ?」
「愛してるvv」
「・・・そりゃどーも」
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いつだって素直な気持ちで言うよ。
君は照れて早足になるけれど。
僕は笑顔でついていくから。
これが僕らの一番の距離。
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end
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コメント
初の川田です。
川島さんの口調や性格がわからない。
でも。まぁ、いいか。
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