<怖いものは怖い>
・
「うわあっ!!」
テレビ画面にうつった血まみれの女の幽霊に、潤はびくっと体を震わせた。
隣に座っている小沢の腕に抱きつき、目をギュッと閉じている。
そんな潤を横目で見やり、小沢は苦笑した。
「怖いなら見なきゃいいのに」
「こ、怖くないよ!」
「本当に?」
「当たり前だろっ」
「ふーん?」
そう言うと、小沢はソファから立ち上がった。
すると、潤が慌てて小沢の袖を掴む。
「ど、どこ行くの?」
「お風呂」
「ここにいてよ」
「何で?」
「だって・・・」
「怖いから?」
「・・・う」
「怖いんだ?」
「こ、怖くないよ!」
「じゃ、俺は行くからね」
「あっ!!」
潤の声に、小沢はニヤリと意地悪そうに微笑んだ。
「正直になったら?」
「・・・ばか」
「え?」
「小沢さんの馬鹿っ」
「怖いんでしょ?」
「怖いよっ!」
「で?俺にどうしてほしいの?」
「・・・」
「潤?」
「・・・一緒にいてほしい」
「・・・」
「怖いから、一緒にいてよ」
そう言った潤の顔は真っ赤になっていた。
小沢はそんな潤を抱きしめる。
「可愛いね、潤は」
「小沢さん・・・///」
恥ずかしさからか、小沢の胸に顔を埋める潤。
一方、小沢は・・・。
「(また怖い映画を見せてみようかな)」
などと、味をしめていた。
・
end
・
コメント
ゆきさま、いかがでしょうか?
ご希望にそれましたでしょうか?
またのリクエストお待ちしております。
・