<ナルシストの悩み>
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最近、梶の奴が冷たいねん。
仕事が終わった後、飲みに誘っても断るし。
休みの日に遊びに来い言うても断るし。
俺が行く言うても断るし。
なんや、俺ってば避けられてるんかい。
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「どう思います?」
「ああ、そら完全に避けられてるわ」
「やっぱり、そうなんですかね・・・」
「ま、うちの福は絶対にそんなことないけどな」
煙草を吸いながら自信満々に言ってのける徳井。
「わからないじゃないですか。福田さんだって、影では何してるか・・・」
「絶対にありえへん」
「すごい自信ですね」
「福のこと信じてるからな」
「・・・」
「お前も梶原のこと信じたったらええやん」
「・・・さっき、避けられてる言うたやないですか」
「せやったか?」
「・・・」
相談しなきゃ良かった、と溜息をつきながら、その場を離れる西野。
そして廊下を歩いていると、背後から最愛の相方の声が聞こえてきた。
「西野っち!」
「あ、梶」
「もうすぐリハーサル始まるで!」
「・・・なぁ、梶」
「ん?」
「今日・・・」
「ごめんっ!今日は無理!」
「まだ全部言うてないやんけ」
「やから、ごめん!」
「はぁ・・・。何で駄目やねん」
「・・・それは・・」
「お前、俺のこと嫌いになったんか?」
「え?」
「そうならハッキリ言えや」
「そ、そうやないけど」
「なら何でや!何で俺の誘い全部断んねん!」
「・・・っ、ごめん!」
「梶!」
逃げる梶原を西野が追いかける。
しかし、その途中で福田とぶつかってしまった。
「うわっ」
「あっ!すいません、福田さん」
「どないしたん?梶が凄いスピードで走ってったけど」
「いや、その・・・」
「喧嘩でもしたん?」
優しく聞いてくる福田に、西野は事情を話した。
「ああ、なるほど。俺もそういう時期あったわ」
「徳井さんとですか?」
「大丈夫や。別に梶はお前のこと嫌いになったわけやないと思うで」
「じゃあ、何で・・・」
「そういう時期があんねん」
「・・・福田さんは、徳井さんとどうだったんですか?」
西野の質問に、福田は非常に微妙な表情を浮かべる。
「それ聞くか?徳井くんの性格を考えてみいな」
「・・・?」
「ストーカーみたいやったわ」
「・・・」
身震いをする福田を見て、何となく意味がわかった西野であった。
「あ、ありがとうございました」
「頑張ってな」
福田に礼を言い、梶の後を追う西野。
そんな西野を見送りながら、福田はぽつりと呟いた。
「徳井くんに比べたら、西野の方がまだ爽やかやな」
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「梶!」
「・・・西野っち」
「こんな所におったんか。探したで」
「・・・ごめん」
「何で俺のこと避けんねん。俺、何かしたか?」
「・・・ちゃうねん。そうやない」
「じゃ、何でや」
「・・・そ、その・・・俺な、西野っちとおると・・・」
「俺とおると?」
「そ、その、何か・・・変な気分になるっていうか・・・」
「変な気分?」
「なんていうか・・・こう、な・・・その」
「何や?」
「き・・・キスしたく、なったり・・・抱きつきたくなんねん・・・」
「・・・」
そう言う梶原の顔は耳まで真っ赤であった。
そして恥ずかしさのあまり、西野から顔をそむけてしまう。
そんな素振りにたまらなくなった西野は梶原を抱きしめた。
「に、西野っち!?」
「そうやったんか。あーもー、何でこんなに可愛いんやろなぁvv」
「はぁ?」
「キスしたなったらすればええやん。いつでも抱きついたらええやんか」
「で、でも・・・」
「でも?」
「なんか、そんなん・・・俺、エロい奴みたいやん」
「俺は大歓迎やけど?」
「恥ずかしいやんか!」
「俺は気にしないvv」
「俺は気にする!!」
西野は梶原を更に強く抱きしめ、キスをした。
そして、ますます顔を赤くする梶原に囁く。
「愛してるでvv」
end
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コメント
ぎゃああああ!口から砂を吐きます!
なんか西梶なのに徳福?
つうか、徳井さんは福田さんに何をしたんだ!?
そっちの方が気になるかも。