<お前が欲しいねん>
・
「トシー!今日が何の日かわかってるか?」
「・・・たーちんの誕生日」
「よく覚えてた!偉いで、トシ!」
「あれだけ毎日聞かされれば嫌でも覚えてるわ!!」
中川の言葉に、高井はあからさまに嫌そうな顔をして言った。
7月4日までの一週間、高井は嫌になるくらい中川から誕生日のことを話題に出されていたのだ。
「じゃ、さっそくやけど」
「なに?その手は」
「プレゼントくれや」
「用意してない」
「別に物やなくてもええで」
「どういうこと?まさか俺自身とかキショいこと言わへんよな?」
「なんでわかった!?」
「・・・やっぱり」
高井は溜息をついて中川の手をがしっと掴んだ。
「これから飯おごったるから。好きなもん食べてええ」
「そんなんよりも、俺はトシがええねん」
「嫌や!」
「なんでやねん!恋人の誕生日くらい、俺をあげる、くらいの台詞言えや!」
「なんやねんそれは!」
「とにかく、俺はトシがええねん!」
「・・・ガキか、お前は」
「一年に一度しかない記念日やぞ!?」
「だから何やねん」
「お前、生まれてきてくれてありがとうくらいの気持ちないんか!」
「ないわ!そんなもん!」
しばし睨み合う二人・・・。
すると、ふいに中川は真面目な顔をして高井を見つめた。
「俺はトシが欲しいねん」
「せやから嫌や言うてるやろ」
「別にエッチさせろとか言うてるわけやないで?」
「・・・え?」
「誕生日を好きな奴と二人きりで過ごしたいという俺の純粋な男心や」
「・・・女々しい」
「女々しいとか言うな!」
「でも、まぁ・・・」
「あ?」
「そういうことならええで。今日だけ俺をお前にやるわ」
「ほんまか?」
「ほんまや。今日だけやで」
「・・・やったーーーー!!」
手放しで喜ぶ中川を見て、高井は優しく微笑んだ。
しかし・・・。
「じゃ、俺の家行こう!」
「ええよ」
「今日はオールやでー!」
「・・・何が?」
「何って、トシとの・・・あっ」
「俺との、何?」
「いや、その・・・」
「結局はそれかい。何が純粋な男心や?不純だらけやないか!!」
「ま、まて!トシ!ブレイクブレイク!!」
「問答無用!!」
この瞬間、baseに中川の悲鳴と高井の怒声が響きわたったとか・・・。
・
end
・
コメント
中川さん誕生日おめでとうございます。
初の中高なのに、こんなんですいませんです。
ですが、私は中川さん大好きですから!
・