<向日葵>

幼い頃、彼はこの花が好きだと俺に言った。

それが許せなくて、俺はこの花が嫌いになった。

我ながら安易なガキやと思う。

「あ、ヒマワリ咲いてるでvv」

「別に珍しくないやろ」

素気ない俺の言葉に、福は頬を膨らませた。

その可愛さに目眩を感じる駄目な俺。

「徳井くんは好きやない?」

「さぁな」

俺が好きなんは、お前だけや。

続けてそう言ったら笑われた。

本気で言うたんやけどなぁ。

「綺麗やなーvv」

お前の方が綺麗やっちゅーねん。

「僕、ヒマワリって大好きやねん」

そんな福の発言に、俺は黄色の花を睨み付ける。

花に嫉妬か、情けないわ。

「徳井くん、どないしたん?」

「・・・福」

「ん?」

「俺とヒマワリ、どっちが好きやねん」

「はぁ?」

福は呆れたかのように俺を見る。

我ながら、ほんまに情けない。

「そんなん、比べようないやんか」

「どういう意味や。俺より花の方がええってことか?」

「ちゃうって!ヒマワリも好きやけど、徳井くんはその何百倍も好きやもん」

「・・・福っ」

「うわっ!ちょっ、こんなとこで抱きつくなー!!」

うれしさのあまりキスをした。

そしたら、福は耳まで真っ赤になって・・・。

「阿呆っ///!」

軽く叩かれてしまった。

せやけど、そんな痛みはどうってことない。

「やっと長年のライバルに勝てたわ」

「?」

「福、ヒマワリ摘んでいこか?」

「ええよ。摘んだら可哀想やし」

「福は優しいなーvv」

「何言うてんの。それよりも、早よ帰ろう」

「せやな」

幼い頃のように手を繋いで帰った。

「徳井くん、夕飯何がええ?」

「福の作るもんやったら何でもええで」

「じゃあ、椎茸の・・・」

「訂正。椎茸以外で」

「じゃあ、天ぷらソバにしよか?」

福が笑いながらそう言う。

その笑顔にまたもや目眩を感じながら、俺はその手を強く握った。

end

コメント

徳井さん、花に嫉妬ですか・・・。

なんなんだ、この二人は。

でも、うちの基本はラブラブです。

back