<赤ちゃん>
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「うーちゃーんvv」
「んー?」
「俺な、できたみたいやねん」
「何が?」
「うーちゃんと俺の赤ちゃん」
「はぁ!?」
菅の言葉に新聞を広げながら驚愕する宇治原。
しかし、すぐに溜息をついて菅の頭を軽く叩く。
「菅ちゃん、そういう冗談が俺には通用せんで」
確かに、全国模試二位の実績を持つ宇治原がそんな冗談を真に受けるがずがない。
某ナルシストなら本気にするかもしれないが・・・。
「ほんまやもん!ほんまに赤ちゃん出来たんやもん!!」
「菅ちゃん・・・」
本来、菅は頭がいい。
故に、自分たちがいくらナニをしたところで子供が出来る筈がないというのは承知している。
だが、ここまで菅が引かないということは何か理由があるのだろう。
そう考えた宇治原は菅を自分の方に引き寄せた。
「菅ちゃん、何で赤ちゃんが出来たと思うん?」
「やって、吐き気とかするし・・・」
「それだけ?」
「ちゃう!あと、お腹が動くんやもん!」
「お腹が動く?」
その言葉に、宇治原は菅の腹に直接触ってみた。
すると・・・。
「!?・・・動いてる?」
「せやから、うーちゃんと俺の赤ちゃんが出来たんやって」
嬉しそうに無邪気にそう言う菅を見て、宇治原は微笑を浮かべた。
「男かな、女かなー?」
「さぁなぁ」
「うーちゃんに似ているとええな」
「俺は菅ちゃんに似ている子がええわ」
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「・・・っ・・・ん?」
宇治原はまだ覚めきっていない脳で周りを見回した。
すると、すぐ隣に菅の寝顔が・・・。
「・・・ん!?」
宇治原は急いで菅の腹を出した。
そしてぺたぺたと触ってみる。
「・・・っ・・?宇治原・・・な、なに?」
「・・・菅ちゃん、赤ちゃんはどないしたん?」
「はぁ?」
宇治原の言葉に菅は怪訝そうな顔をした。
「あ、あれ?夢やったんか?」
「阿呆か。俺らに赤ちゃんなんか出来るわけないやろ」
「・・・」
「お前、全国模試二位のくせに頭おかしいことぬかしてんなや」
「・・・」
宇治原は自分を小馬鹿にするように鼻で笑う菅を見て溜息をついた。
「・・・菅ちゃんが女やったらなぁ」
「何言うてんねん。せやったらお前が女の方がええやろ」
「・・・」
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end
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コメント
宇治原さんが女だったら気持ち悪いと思います。
でも、愛しております!
うちの宇治菅が微妙だ・・・。
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