<バースデー>
・
7月16日は俺の誕生日だ。
だからといって、どうというわけじゃあない。
一人暮らしを始めてからの誕生日はいつも家族から電話をもらい、後輩から「おめでとうございます」という一言とたまにプレゼントをもらうだけ。
しかし・・・今年は若手ブームということもあり、みんな忙しい。
わかる。俺だって最近は忙しくて小さいことを忘れてしまう時があるさ。
だからって、何で一人も俺の誕生日を覚えていないんだ!?
一人くらい覚えている奴がいてもいいだろ!
つうか、家族すら電話よこさねーし・・・(泣)。
「はぁ・・・」
「なんだ?今日はいつにも増して暗いな」
「・・・」
某番組の収録前・・・。
楽屋の机に頬杖をつき、溜息をついた俺に渡部がそう言った。
俺は渡部を横目で見やる。
コイツが覚えている筈ないんだよなぁ・・・。
「はぁー・・・」
「お前、人の顔見て溜息ついてんじゃねぇよ」
「あ、悪い」
「たくっ・・・。そういう失礼な奴にはやらねぇぞ」
「何を?」
「・・・・お前、本当に馬鹿だな。知ってたけど」
「だから、何だよっ」
俺がそう言うと、渡部は鞄から何かを取り出し、俺に差し出した。
「・・・本?」
それは袋に包まれた本。
「お前、自分の生まれた日くらい覚えてろよ」
「えっ・・・?渡部、覚えてたのか?」
「当たり前だろ?お前とは頭のつくりが違うんだよ」
「・・・渡部vv」
「うわっ!抱きつくなー!!」
うれしさのあまり、少し泣きそうになってしまった。
だけど、少し思い出したことがある。
高校の時から、コイツだけは俺に誕生日プレゼントを毎年くれていたんだ。
「ありがとな、嬉しいぜ」
「当然だろ」
「ところで、何の本なんだ?」
「ん?いやな、立ち読みしてたらかなりウケたからさ」
「・・・死○かと○った?」
「お前も投稿してみれば?」
「・・・・」
・
end
・
コメント
児島さん、誕生日おめでとうございます!
そして、ごめんなさい。こんなんで・・・。
この本を知っている人はいるでしょうか?
マジで売ってます。下品なのが嫌いな人にはお勧めできません。
・