<雨の日に>
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こんな堅い無機物のボタンを押すだけで、お前の声が聞けるのに。
やっぱり生に会いたいだなんて。
我侭だろうか?
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今日は朝から雨が振っている。
珍しく大臣の弟の天気予報が当たった。
うんざりするくらい、止めどなく降り続ける雨を睨み付けてみる。
そんな事しても、雨が止む筈がなく・・・。
溜息をついてソファに寝転んだ。
そして、テーブルの上に置いてあった携帯を手に取り、1を押して発信ボタン。
しばしの呼び出し音の後、聞こえてきたのはよく知る低音。
『なに?』
「五分以内に来い」
『は!?』
「遅れたら罰ゲームな」
『ちょっ、まっ・・・』
何か言っているのを無視して携帯を切る。
アイツの家から自分の家まで五分で来れない事など承知済み。
きっと、今頃焦ってる。
そんな姿を想像し、一人で笑う。
「罰ゲーム、何にしたろ」
end
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コメント
短いなぁ!何でこんなに短いんだ?
そして、これは井藤です。
誰が何と言おうとも!!