<高慢な恋人>

俺の相方は我侭です。
悪い所をあげていったらキリがありません。
しかも、素直じゃないので俺はいつも苦労しています。
今日も、いきなり俺の家にやって来て・・・。

「藤原」
「何や?」
「お茶買うてこい」
「冷蔵庫に入ってるやろ」
「俺が飲みたいんは生○やなくて旨○や」
「どっちも変わらへんやろ」
「いいから買うてこい」
逆らうと後が酷いので、とりあえず買いに行きます。
「ただいま、買うてきたで」
しかし、帰ってきた俺の目に飛び込んできたのは・・・。
生○を飲む相方の姿。
「遅い」
「なんで、それ飲んでんねん」
「お前が遅いからや」
「・・・コレは?」
「もういらん」
「・・・」
勿体ないので、俺が飲みます。
そして、またしばらくして俺がテレビを見ていると。
「藤原」
「何や?」
「チャンネルかえろ」
「今、見てるんやけど」
「面白ないねん。かえろ」
「・・・」
仕方ないので、かえます。
しかし・・・。
「これも面白ないわ。暇やからビデオ借りてこいや」
お前はどれほど偉いねん。
流石の俺も切れそうにはなりますが、この高慢チキにかなう筈がないので我慢します。
俺の方が体は大きいのに、何故だか力はこっちが上やし。
「何借りてくんねん」
「面白そうなん借りてこい」
「・・・」
そういう注文が一番困るんやけど・・・。
ちょっと疲れてきたので、反論してみました。
「井本、いい加減に帰ったらどうや?」
「あ?」
「俺の家にいても面白いことなんてないやろ」
「・・・」
「なら帰ればええやんか」
「・・・」
ここまで言って、俺は少し後悔しました。
井本の顔が恐ろしく怒っていたからです。
やばい、と思った瞬間にはもう遅くて・・・。
「ええ度胸しとるやんけ」
「・・・あ、い、井本?」
逃げようと思った時にはもうすでに敷かれていました。
「お前の言うとおり、めっちゃ暇やねん。暇つぶしの相手
 しろや」
「い、井本!ま、待てや!!」
「だまれ」
抵抗しようにも、いつの間にか両手は紐で縛られているので抵抗しようがありません。
泣く泣く、俺は井本にされるがままです。
ですが、こんな高慢な恋人の行動を許してしまう俺。
「何でやろなぁ(泣)」
「俺に惚れてるからやろ」
「!!」
結局のところ、かなうはずがないんです。

END