<潤くんファンクラブ>

ファンクラブの「やぶったら針千本じゃなく一万本飲ませるぞ」的お約束ごと。

その一・抜けがけするな

その二・二人きりになるな

その三・手を出すな

これらの約束事をやぶった者は死よりも恐ろしい制裁を受けなくてはならないらしい。

「なぁ、これ見てみ」

「あっ!それは井戸田くんの生着替え写真!!」

「どこで手に入れたんだよ!」

エンタ収録終了後・・・。

楽屋で自慢げに写真を見せびらかす陣内と、それに群がるアンジャッシュの姿があった。

「大阪支部の裏ルートや」

「ずるいっ!俺も欲しい!!」

ここで、少し説明しておこう。

本人は気が付いていないが、井戸田潤にはファンクラブが存在する。

しかも、東京支部と大阪支部があるらしい。

その大阪支部と東京支部に属する陣内は、何かと裏ルートから隠し取り(しかも貴重)な写真を手に入れてはテレビの出演者に自慢していた。

「あ、いいなソレ」

「あーっ!何すんねん!!」

そんな陣内の手から写真を取ったのは長井秀和。

実は、彼もファンクラブの一員である。

「妻子もちのくせに・・・」

「心が広いからな」

「奥さんに言いつけてやる」

「じゃあ、その代わりにコレもらうな」

「あかん!!」

陣内は長井から写真をなんとか取り返そうとするが、なかなか上手くいかない。

しばらくして・・・。

「・・・ふんっ、別に裏ルートから手に入れた写真はそれだけやないわ!」

「写真って?」

「うわぁっ!?」

「い、井戸田くん!?」

陣内の真後ろに何故か立っていた潤。

いきなり現れた想い人に、ファンクラブメンバーは驚愕の表情を浮かべずにはいられない。

「い、いつのまに・・・?」

「え?」

「い、いや!なんでもないよ!!」

「みんな、変だよ」

「潤、どうしたの?」

「あ、小沢さん」

楽屋に入ってきた小沢が潤の肩をぽんっと叩いた。

「みんなが変なんだ」

「変?・・・ああ、なるほどね」

「何が?」

「潤は関係ないことだよ」

そう言って潤を楽屋の外に出すと、小沢は無言のままファンクラブメンバーに圧力をかける。

「・・・」

流石はファンクラブ会長である(えっ!?)。

一方、その頃・・・。

「なんだよ、みんなして・・・」

「井戸田ー!!」

「あ、お疲れさまです。須知さん」

「お疲れさーん!何してん?」

「なんか、楽屋から追い出されちゃって」

「ふーん。じゃあ、俺と飯でも食いに行こうやVV」

「うーん・・・」

「奢るで」

「行く!!」

「じゃあ、はよ行こ!邪魔が入る前に・・・」

「え?」

「いや、何でもあらへん。それより、飴ちゃん食う?」

「食べます!VV」

すっかり大阪支部の須知に餌付けされた潤。

内心で須知が笑っていることなどつゆ知らず・・・。

他のファンクラブメンバーさえも、抜け駆けされていることなど知るはずがなかった。

END

コメント

いかがでしたでしょうか?

すっちゃんを出してしまいました・・・。

すいません。ごめんなさい。

なんだか、続きを書きたいです。