<君を愛す>

ずっと一緒にいたい。

ずっと二人で生きていきたい。

ずっと共に生きていたい。

ただそれだけなのに・・・。

それを願うことが、何故いけないことなんだろうか。

「別れたい」

「・・・何でや」

梶原の突然の言葉に、西野は表情を変えずに言った。

「もう、限界やねん」

「何が限界なんや」

「まだ間に合うと思うから」

「何がや」

「前みたいに戻ろう?」

「・・・ほんまに戻れると思ってんのか?」

「頑張るから。お前の為やし、我慢できるて」

「俺は我慢できひん。頑張る気もない」

「・・・西野」

「俺はお前が好きや。お前は俺が好きやないんか」

「・・・そんなこと・・・好きにきまってるやんか!」

「なら、何でそんなこと言うねん」

「・・・それは」

梶原は顔をふせた。

そんな梶原の顔を自分の方に向かせ、西野は触れるだけのキスをする。

「お前が好きやねん。それが悪いことなら、俺はこの世界をやめてもええ」

「あかん!お前はあかん!」

「何でや」

「やめるなら、俺がやめるからっ!・・・西野には続けてほしいねん」

「お前がいないのに、何でこの世界にいなあかんねん」

「・・・才能、あるんやから」

「そんな才能あったって、お前がいなかったら意味がないやろ」

「・・・西野」

「お前が好きやねん。誰よりも、世界中で一番好きやねん」

「・・・俺もやけど」

「お前と一緒やから、この世界でここまで頑張ってこれたんや」

「そんなっ・・・俺の方こそ、お前がいたから」

「そう思うんやったら、そんなこと言うな」

西野は梶原を強く抱きしめた。

それに応えるかのように、梶原も西野の背中に手をまわす。

「・・・っ・・ごめっ・・・西野」

「泣くくらいなら言うなや」

「ほんまや・・・ごめん」

「間に合うなんて、手遅れに決まってるやろ」

「・・・手遅れなんは俺の方や」

「ん?」

「西野がいなかったら、生きていけない」

「阿呆。それは俺も同じや」

「ほんまに?」

「ほんま。お前がいなかったら、生きてる意味がない」

ずっと一緒にいたい。

ずっと二人で生きていきたい。

ずっと共に生きていたい。

ただそれだけ・・・。

その想いをつらぬいて、僕は君を愛し続けてみせるよ。

END

コメント

・・・(死)。

逃げますね・・・。

探さないでください。