<潤くんファンクラブ2>

芸人の世界で知らない者はそういない。

井戸田潤ファンクラブ。

事務所問わず、井戸田潤を敬愛する者なら誰でも入れるらしい。

しかし、絶対条件がいくつかある。

1、抜け駆けするな。

2、二人きりになるな。

3、手を出すな。

これらを破った者は死よりも恐ろしい制裁を受けなくてはならないのだ。

しかし、芸人の半数以上がファンクラブに入っているなかで、やはり少数派というのは存在するもので。

つまり、ファンクラブに属していなくても、井戸田潤に好意をよせる輩は大勢いるということである。

「なぁ、これ見てや」

「あー!井戸田くんの水着写真!?」

今日も今日で、楽屋で盛り上がるファンクラブに属する芸人たち。

陣内はまたもや裏ルートから手に入れた写真をアンジャッシュ児島に見せびらかしていた。

「いつもどこから手に入れてんねん」 

そんな陣内を遠くから見ているのはキングコング梶原。

何故に彼がいるのか・・・。

それは、今日が爆○オンエ○バトルSPの収録日だからであった。

実の所、梶原もファンクラブに入っている。

「なんや、梶?羨ましいんか?」

「別に羨ましくなんかないですけど」

「余裕やな」

梶原と陣内が睨み合う。

そんな険悪な雰囲気のなか、楽屋にとても場違いな声が・・・。

「おはようございまーっす!」

その声にすぐさま反応する芸人たち。

潤は芸人たちの視線を一斉にあびることとなった。

「・・・どうしたんですか?」

少し引き気味の潤。

そこへ、ビッキーズの須知が続いて入ってきた。

「あれー?何してんねん」

「須知さん・・・なんか、みんなが怖いんです」

「ふーん」

状況を察した須知はすかさず飴を取り出し、潤に渡す。

「飴ちゃん食う?」

「食べますっ」

「じゃあ、ちょっと向こう行っててなー?」

そう言って笑顔で潤を楽屋から出す。

まるで「お小遣いあげるから遊んで来てな」と言う母親のよう・・・。

「何してんねん。怖がってたやん」

楽屋のドアを閉め、須知がその場にいた芸人を言った。

「せやかて、陣内さんが・・・」

「俺は別に悪ないで」

「写真見せびらかしてたじゃないですか!」

「せやったか?」

一方、その頃・・・。

楽屋を追い出された潤は一人、喫煙所に来ていた。

「・・・あれ?」

すると、そこで煙草を吸う見知った顔が・・・。

「こんにちは、井戸田さん」

低い声と共に笑顔で挨拶をしてくる人物に、潤は必死で記憶をたどる。

「えーと・・・麒麟の・・・」

「川島です」

「そうそう!川島くん!ごめん、名前思い出せなくて・・・」

「いいですよ」

「隣、いい?」

「どうぞ」

川島の承諾をもらい、潤は隣に腰掛けた。

少し気恥ずかしそうに川島の方を見ると、やんわりと微笑みかけてくる。

自然と潤の頬が赤く染まった。

「井戸田さんは恋人とかいてはるんですか?」

「えっ!?い、いないよ・・・」

「そうなんですか?」

「・・・川島くんは?もてるんじゃない?」

「いないですよ。気になる人はいてますけど」

「好きな人いるんだ」

「いますよ、隣に」

「隣?」

潤は不思議そうに首を傾げ、川島の隣を見やるがそこには壁しかない。

そんな天然すぎる行動に、川島は吹き出した。

「な、なに?」

「井戸田さんってやっぱり可愛いですね」

「か、かわいくないよっ!」

「可愛いですよ」

「・・・っ///」

川島の心地よい低い声と笑顔に潤の顔はますます赤くなる。

すると、ふいに川島が立ち上がった。

「じゃ、そろそろ俺は行きます」

「あ・・そ、そう」

「また今度、ゆっくり話しましょう」

「・・・う、うん」

その時である。

ちゅっvv

「・・・!!!!!?////」

突然の出来事に声にならない。

そんな潤の反応を楽しそうに眺め、川島は笑顔で手を振った。

「じゃあ、失礼します」

後に残された潤は頬を手でおさえ、その場に立ちつくす。

「・・・っ///」

心臓の鼓動が早くなっている気がしたが、今の潤にはそれが何なのかわからなかった。

end

コメント

小沢さん出なかったです。

ごめんなさい!すいません!

しかも、妄想しすぎです!川島さんとか有り得ないです。

梶原さんとかも・・・。

本当にすいません・・・・・。