<こっちを向いて>
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「川島さんはどんな女の子がタイプなんですか?」
おきまりの台詞を吐く女が憎らしく思えた。
「大胆な子より、ちょっとシャイな子の方が好きやな」
やっぱり来るんやなかった・・・。
いくら先輩に誘われたとはいえ、合コンなんか。
飛び交うのはおきまりの男と女のかけひきのような言葉ばかり。
どこまでが本音で嘘なのか、わかるわけがない。
「私、恋愛に関してだと内気なんですよ」
阿呆か・・・。
酒を飲みつつ、女を呆れの眼差しで見る。
はじまって一時間ちょっと・・・。
すでにできあがった先輩は狙いをつけた女とこれから抜け出そうかとヒソヒソ話をしている。
俺の隣にはこれまた尻の軽そうな女がいるけど、俺の目線は一度もそっちには行かへん。
「川島さん、メルアド教えてくれません?」
「それはどないやろなぁ」
川島の隣にいる女が甘えるような声でそう言う。
阿呆や・・・。
俺は川島とその女を睨み付けた。
瞬間、川島と目が合う。
「・・・?」
川島が、俺を見てニッコリと笑った。
「っ////」
思わず顔が熱くなる。
「田村さん、顔赤いですよ?酔っちゃっいました?」
隣に座っている女の言葉が耳障りやった。
俺は動揺を隠すかのように酒を一気に飲み干す。
見ると、川島はそんな俺を楽しそうに見つめていた。
「田村さん、大丈夫ですか?」
「・・・ああ」
いい加減、自分でも飲み過ぎやと思う。
これで何杯めや?
もともと酒はそんなに強い方やない。
俺はぐるぐる回る頭をおさえ、気持ち悪さに耐えた。
「休みに行きます?」
うるさい、ちょっと黙っとけや。
「俺、コイツのこと送っていきますわ」
その時、耳に心地よい低音が響く。
先輩と女の不満そうな声が聞こえ、そこで俺の意識は途切れた。
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ゆらゆらと、ゆれている感じが心地よい。
口に何かが触れ、冷たいものが俺の中に流れ込んできた。
「・・・っ・・・ん・・・」
「・・・あ、起きた?」
「ここ、どこや」
「俺のお部屋vv」
まだ動かない脳を必死で動かして考えた。
「・・・あ?」
「田村くんをお持ち帰りしちゃいましたvv」
笑顔でそう言われる。
考えるよりも身体が先に動いた。
どかっ!
「いたっ!!」
川島が痛そうに腹部をおさえている。
どうやら、腹を蹴られたらしい・・・俺に。
機能をはたさない脳のなかで他人事のように考えた。
「痛いよ、田村くん」
「帰るわ」
「その様子じゃ無理やろ。今日は泊まっていきや」
「帰る言うてるやろ」
そう言って立とうとするが、酒が残っているせいか足下がふらつく。
倒れそうになった瞬間、川島に支えられた。
「ほら、危ないから」
「うるさいっ」
「・・・怒ってんの?」
「別に怒ってないわ」
「怒ってるやんか」
「うるさいっ!」
「さっきも、すごく俺のこと見てたしな」
「・・・っ///」
「可愛いvv」
不覚にもまたもや顔が熱くなる。
「やきもち妬いてたんやろ?」
「自惚れんな!」
「俺って愛されてるなぁvv」
「阿呆か!死ね!!」
俺は赤い顔を見られないようにそっぽを向く。
「こっち、向いて」
「・・・///」
コイツの低い声に弱い自分が憎い。
そんな声で囁かれたら向かないわけにはいかへんやろ。
「田村くんだけやからなvv」
「・・・先輩たちへの言い訳、考えとけよ」
「せやったわ・・・どないしよ」
困ったような顔をする川島を見て、俺は笑った。
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end
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コメント
リクエストに応えられていますでしょうか?
なんだか、偽物くさいです。
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