<悲哀2>

お前がいない今、俺はどうやって生きればいい?

一人で生きるには、俺はあまりにも弱すぎる。

誰でもいいから、誰でもいいからそばにいてほしい。

「おはようございまーっす」

「梶!?」

「どうしたんですか?高井さん、そんな顔して」

「お前、もう大丈夫なん?」

「はいっ。今日から仕事復帰します!アイツの分もがんばらなきゃいけませんから」

「・・・無理はするなよ?」

「わかってますよ」

笑顔で皆に挨拶する。

ここで俺が暗い顔をしていたら、皆に迷惑をかけるから。

いつまでも悲しんでいるわけにはいかない。

「・・・梶」

「宇治原さん、なんですか?」

「無理してんのやろ?」

「本当に大丈夫ですって」

「嘘つくな」

「・・・本当に、もう大丈夫ですから」

「梶、俺じゃあかんか?」

「え?」

「俺じゃ西野の代わりにならへんか?」

「・・・そないなこと」

「本気やぞ」

宇治原さんに真っ直ぐ見つめられ、俺は目線をそらした。

そんなこと言わないで。

俺は貴方にすがってしまう。

西野がいない今、一人で生きるにはあまりにも俺は弱い。

誰でもいいから、そばにいてほしいなんて・・・。

「・・・宇治原さん、俺のことは放っておいてください」

「お前がいつまでもそんなんじゃ、アイツも安心できへんやろ」

「・・・」

そうかもしれない。

俺がいつまでもこんなんじゃ、西野は・・・。

「・・・だけど、俺は」

「お前が西野を忘れられるまで、俺は待つ」

「・・・宇治原さん」

「梶・・・」

宇治原さんは泣き出した俺を優しく抱き寄せてくれた。

人の温かみに触れたのが久しぶりな気がして・・・。

俺は宇治原さんにすがって泣いた。

next