<加虐心と愛情と>
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俺はアイツのことが好きらしい。
アイツも俺のことは嫌いやないと思うし(多分)拒みはしないだろう。
せやけど、自分から告白するなんてできるはずがない。
この俺がやぞ?
この俺がアイツに告白?
「・・・ありえへん」
「井本、何か言うたか?」
「いや・・・」
恋愛なんて性に合わへんねん。
好きです、付き合ってくださいなんて・・・。
そないな陳腐な台詞言えてたまるかい!
「・・・はぁ」
なら、どうすればええんや。
つうか、コイツが言えば俺がこんなにも悩む必要はないねん。
ま、鈍いコイツには無理な話やな。
「・・・ほんま、ド阿呆」
どかっ。
「いたっ!な、なんでいきなり蹴んねん!」
「むかついたからや」
「そんなん理由になるかー!」
ああ、ほんまに頭がイカれてるのかもしれへん。
こんな奴、しかも男を可愛いと思うなんて。
なんというか・・・コイツの顔見てると・・・。
「・・・ん?」
待てよ。
今、俺は何て思った?
「藤原」
「なんや」
「・・・ああ、そうか」
「はぁ?」
藤原は俺の様子に不審そうな顔をする。
「・・・藤原、ちょおこっち向けや」
「なんやね・・・」
ちゅっ・・・vv
「・・・井本さん、今なにしました?」
「キスやろ」
「なんで?」
「さぁな」
にやりと笑ってみせた。
藤原は顔を真っ赤にさせて何も言えずにいる。
ああ、コイツのこういうところが好きやねんな。
なんていうか、すごく・・・。
「お前見てると加虐心がそそられんねん」
「・・・へ?」
「わからへんか?」
「わかるわけないやろっ」
「好きや」
「・・・////!?」
「お前が好きや」
「・・・な、そ、そんな・・・」
「お前は?」
「・・・・お、俺も///」
ああ、やっぱりコイツも俺が好きやったんか。
妙に安心する自分に少し腹がたった。
「俺のもんになれや」
顔を赤くさせて頷く藤原がとても可愛く思える。
「言うとくけど、手加減せぇへんぞ」
「・・・どういう意味・・・」
「お前は今日から俺のペットやねんから」
「はぁ!?なんや、それ!普通は恋人ちゃうんかい!」
「今までは奴隷やったけどな。格上げや」
「・・・あんま変わらへんやろ(泣)」
お前ほどに俺の加虐心をそそる奴なんていてへんねん。
「加虐が俺の愛情表現やねんから仕方ないやろ?」
「・・・普通に表現しろや」
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end
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コメント
なおさまへ、申し訳ありません。
こんなんでいいですか?
リクエストに応えられていませんね。
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