<素敵ボイスにご注意を>

某玉転がし番組収録日。

この日、潤は誰よりも早く楽屋に入ろうとしていた。

しかし、楽屋のドアを開けてみればすでに先客がいて・・・。

「あ、あれ?」

「おはようございます」

潤は笑顔で挨拶をしてきたその男に見覚えがあった。

「(えーと・・・誰だっけ・・・)」

その心地よいくらい低い声は彼の漫才の特徴でもある。

「井戸田さん、こうして話すのは初めてでしたよね?」

「あ、うん・・・えと・・・ごめん、君の名前わからないんだ」

「・・・」

潤の言葉に悲しそうな顔をする男。

潤は何だか申し訳ない気分になり、即座に謝った。

「ごめん!俺、馬鹿だから人の名前とか覚えられなくて・・・本当にごめん!」

「あ、いいですよ。そんなに気にしないで下さい」

「・・・本当にごめん」

「麒麟の川島です」

「川島くんね!うん、覚えたから!」

「それは光栄ですね」

優しげに微笑む川島に潤の心臓が鳴る。

「(え?何?今の・・・)」

「井戸田さんはいつも早いんですか?」

「あ、うん」

「小沢さんとは一緒やないんですね」

「小沢さんはいつもギリギリに来るから」

「うちの相方もですよ」

そんな感じで他愛もない話をしていた二人。

しばらくすると、川島が潤に突拍子もない質問をしてきた。

「ところで、井戸田さんは付き合っている女性とかいてはります?」

「い、いないよっ///」

「じゃあ、好きな人とか」

「いるわけないじゃんっ!川島くんはどうなの?」

「俺ですか・・・」

「かっこいいし、もてるんじゃないの?」

「俺、かっこええですか?」

「うん。俺から見たらかっこいい方だと思うよ?」

「井戸田さんにそう言ってもらえると嬉しいです」

「川島くん、好きな人いないの?」

「いますよ」

「へぇ、どんな人?」

「隣にいますよ」

「え?」

不思議そうに首を傾げ、川島の隣を見る潤。

しかし、そこに誰かがいるはずもなく・・・。

「どこに?」

潤の天然な行動に川島は笑い出した。

「ははははっ」

「な、なに?」

「井戸田さんって、やっぱり可愛いですね」

「・・・それ、みんな言うんだよな。俺は男なのに」

「みんな?」

「小沢さんとか渡部さんとか、陣内さんとか」

「・・・へぇ」

「俺のどこが可愛いって言うんだよ」

「そういうところじゃないですか?」

「・・・どうせ俺は子供っぽいよ。っていうか、川島くんって落ちついてるよね」

「そうですか?」

「うん」

「そうでもないですよ。好きな人が他の人と仲良くしてると凄く嫉妬しますし」

「そうなんだ?」

「・・・井戸田さん、鈍いって言われません?」

「よく言われる」

「やっぱり・・・」

川島はため息をついた。

「な、なに?どうしたんだよ」

「・・・井戸田さん」

「っ!?」

いきなり耳元で囁かれ、バッと耳をおさえる潤。

その顔は耳まで真っ赤に染まっている。

「い、いきなり耳元で囁かないでよっ!」

「耳、弱いんですか」

「ち、違うっ!」

「覚えておきます」

「・・・・っ///」

「可愛いですね」

「可愛くないっ!!」

怒っているようだが、顔を真っ赤にしながら言われても効果などあるはずがない。

そんな潤を川島は面白そうに眺める。

「・・・川島くんって、鬼畜っぽい」

「鬼畜かもしれないです」

「自分で言うなよ」

「好きな人は苛めてみたくなるんですよ」

「・・・え?///」

「意味、わかります?」

「・・・え・・・えぇぇ!?」

真っ赤な顔をしながら口を手でおさえる潤。

そんな潤の耳元で、川島はまたもや囁いた。

「好きですよ」

「・・・っ////・・・ずるいよ」

「使える武器は最大限まで利用しないとね」

end

コメント

なんじゃあこりゃあああ!!!

マジで恥ずかしいです。

本当にこんなんですいません!!!