<誰よりも何よりも>

君はその魅惑的な声で俺を惑わす悪い人。

その声を耳元で囁かれてしまえばもう終わり。

俺は君に逆らうことなんてできなくて・・・。

それをわかっている確信犯な君は。

俺の誰よりも大好きな人。

そして・・・。

誰よりも俺を愛してくれる人。

「井戸田さーんvv」

「・・・」

聞こえてきたのは忘れれたくても忘れられない低音。

恐る恐る振り返ってみれば、そこには笑顔の川島が立っている。

潤は即座に逃げ出そうとしたが、体格的に差がありすぎた。

気が付けば、もうすでに腕のなか。

「どうして逃げるんですか?久しぶりに会えたのに」

「・・・いつもメールとか電話してるじゃん」

「メールや電話なんかより、生の井戸田さんの方がいいに決まってるじゃないですか」

「・・・///」

こんな時、素直になれない自分に嫌気がさす。

潤は顔を真っ赤にさせながら、川島の腕から逃れようと暴れる。

しかし・・・。

「なんだか、小動物を抱っこしてるみたいですvv」

悲しきかな、体格差。

「俺は小動物じゃない!」

「わかってますよ。井戸田さんは小動物なんかよりも可愛いですvv」

「・・・っ////」

「井戸田さん、本当に久しぶりですね・・・会いたかったです」

いきなり、真面目な顔をしてそんなことを言う川島。

流石にそんなことを言われては、潤も逃げ出そうとするわけにはいかなくて。

「あ・・・お、俺も・・・」

事務所が違う二人が会える機会などそうはない。

しかも、今はただでさえ若手ブームで仕事が忙しいのだ。

「井戸田さん、今日の仕事が終わったら家に行ってもいいですか?」

「え?」

「だって、俺の家は大阪ですし・・・井戸田さんの家の方が近いじゃないですか」

「でも、絶対・・・な、何かするじゃん」

「当たり前やないですか」

「!!////」

「駄目ですか?」

「・・・う・・・・」

潤は川島の真面目な顔に弱い。

普段、ニコニコ笑っているだけに、真面目な顔はいつも以上にカッコよく感じてしまうのだ。

だが、それ以上に潤は川島の声に弱い。

「潤さん」

「っ////!?」

耳元で名前を囁かれ、潤の顔が耳まで真っ赤に染まる。

「ず・・・ずるいよ・・・」

「井戸田さんを愛してますからvv」

「・・・俺も・・・」

「え?」

「俺も好きだよ!!////」

「・・・い、井戸田さん・・・」

呆気にとられている川島を見て少し気分が晴れる。

やっぱり、自分だけこんなのは恥ずかしい。

少しくらい、君を驚かせてみたいじゃない?

「さぁて、仕事だ仕事ー!!」

「あ、待ってください井戸田さん!」

「なに?」

「も、もう一回言ってもらえません?」

「////・・・やだ」

「なんでですか?」

「嫌なもんは嫌なの!!」

end

コメント

何だか、はまりました。

川潤に・・・。

つうか、すげぇマイナーですよねぇぇぇ(泣)