<手料理>

「福田、仕事終わったら一緒に飯でも食いに行かへん?」

「・・・後藤、昨日も外食やったやろ」

「せやったな」

「確か、その前も」

「料理せぇへんしな」

「・・・後藤」

「ん?」

「僕の家来て!何か栄養あるもん作ったるから!」

「え、ええの?」

「ええよ!そんなに外食ばかりじゃあかんやろ!」

「・・・じゃあ、おじゃまするわ」

まさかの思いがけない展開に後藤は内心で驚いていたが、こんな美味しい話を見逃すほど後藤は馬鹿じゃない。

ぶつぶつと献立を考えている福田を楽しそうに眺めている。

「そういえば、後藤が僕の家に来るの初めてちゃう?」

「せやなぁ・・・いつも徳井に邪魔されとったし・・・」

「え?」

「いや、何でもない」

「じゃあ、テレビでも見ててや」

「わかった」

エプロンをつけて台所に入る福田の後ろ姿を見送り、後藤は改めて福田の部屋を見渡した。

「・・・綺麗に片づけてるなぁ・・・俺の部屋とは大違いやわ」

しばらくすると、部屋中にいい匂いが漂ってきた。

鼻孔をくすぐる料理の美味しそうな匂いに、後藤の食欲がそそられる。

「後藤、できたでー」

「おう」

「早く食べよう」

「せやな・・・じゃ、いただきます」

目の前に並べられている肉じゃがに箸をのばし、口へと運ぶ後藤。

そんな後藤の様子を福田が心配そうに見ている。

「うまいっ」

「ほんま!?」

「ほんまやって!俺、こんなうまいの久しぶりに食うたで」

「よかったわー」

「話を聞いてたけど、ほんまに料理作るの巧いんやな」

「話?」

「徳井に聞いた」

しばらく他愛もない話をしながら箸を口へと運んでいく二人。

後藤は内心で「新婚みたいやなぁvv」などと思っていたとか。

「ほんまにうまかったわ」

「そう言ってもらえると嬉しいわ」

「また来てもええか?」

「ええよ。僕も誰かがいてくれた方が作りがいあるし」

「なんなら・・・」

「え?」

「俺のとこに嫁に来いひん?」

「えぇ!?////ぼ、僕なんかあかんよぉ!」

そういう問題ではないのだが。

「ええやんか。俺、福田のこと好きやし」

「・・・////」

「考えといてや」

「・・・////」

顔を真っ赤にさせながら困惑する福田を、楽しそうに見つめる後藤であった。

end

コメント

不完全燃焼・・・。

だけど、ランキング一位おめでとうございます!