<気がついて>

松竹芸能の合同舞台(あるのか?)終了後。

「やーなっ!」

「うわぁっ!?」

廊下を歩く柳原に後ろから抱きつく増田。

いきなりの衝撃に柳原の身体がびくっと震えた。

「やな、この後は何もないんやろ?」

「あ、はい。何もないと思います」

「せやったら、俺と飯でも食いに行かへん?」

「えっ」

「嫌とか言わへんよな?奢ったるで」

「・・・はぁ」

「じゃ、決まりやな」

半ば強引に誘われ、困惑の表情を浮かべる柳原。

そんな柳原を楽しそうに眺め、自分の楽屋へと向かう増田。

「増田、この後の打ち上げどないすんねん」

「あー、俺はええわ。お前らだけで行きや」

「は?何かあったんか?」

「別に?」

「・・・絶対に何かあったやろ」

「さぁなー?」

あやしむ岡田に曖昧な言葉を返し、少し軽い足どりで柳原の元へと向かう。

「増田さんっ」

「やな、待たせたなー」

「いえ・・・」

「じゃ、どこ行こか」

「どこでもええです」

「なんやそれ?何か食いたいもんとかないんか」

「えーと・・・ないですね」

「欲のないやっちゃなぁ。ま、そこがええとこやけど」

「はぁ」

「じゃ、俺がええとこ連れてったるわ」

「・・・あ、あの!」

「ん?」

「な、なんで俺を誘ってくれはったんですか?」

「・・・わからへん?」

「わかりません・・・」

「ふーん」

増田は柳原に近づき、頬をぎゅっとつねった。

「い、いたーっ!何するんですか!」

「お前が鈍いからや」

「えぇ?」

「もうええわ。早く行くで」

「あ、待ってください!」

早く気づいてや。

俺の気持ちに早く気づいて。

end

コメント

初ですね。

どマイナー!!