<俺様な恋人>

深夜、藤原は眠りの意識の中である違和感を感じた。

「・・・ん・・・」

寝返りをうとうとするが、うてない。

体を動かそうとするが、動かせない。

「・・・んん?」

あまりの寝苦しさに起きてしまい、目を開ける。

が、何故か見えない。

夜だからというわけではなく、本当に見えないのだ。

「?」

そして、あることに気が付いた。

手が動かない。足も動かない。目も見えない。

だが、何となく自分が大の字になっていることはわかる。

「な、なんや!?」

幸いにも声は出せるようだ。

しかし、この状況が理解できない藤原。

「何も見えへん・・・手も足も動かへんし・・・まさか、金縛り・・・」

「阿呆」

藤原がそう呟いた瞬間、耳元でとても聞き覚えのある声が聞こえた。

「!?・・・その声は・・・井本?」

「あたり」

「な、何でお前が俺の家におんねん!」

しかし、井本は藤原の問いには答えない。

その代わりに、意地悪そうな忍び笑いが聞こえた。

「井本?」

不安にかられた藤原が井本を呼ぶ。

「お前、自分がどんな恰好してるかわかるか?」

「あ?」

「何も見えへんやろ」

「あ、ああ」

「俺が目隠ししたからや」

「え!?」

「手も足も動かへんやろ?俺が紐で縛ったからや」

「はぁ!?何でそんなことすんねん!!」

「俺がそうしたかったからに決まってるやろ」

「意味わからへんわ!これ外せ!」

「嫌や」

そう言うと、井本は藤原に口づけた。

「んっ・・んーっ・・・ふっ・・」

藤原は何とか抵抗しようとするが、手も足も縛られているため、何もできない。

なすがままになっている事に気をよくした井本は舌を入れた。

「んっん・・・んっ・・あっん・・・」

逃げ回る舌を絡めとると、藤原の口から吐息が漏れた。

そして、長いキスを終えて口を離す。

「はぁっ、はぁっ・・んっ・・あぁ」

すでに藤原は脱力しきっており、口の端からは唾液が光る。

井本の喉がごくりと鳴った。

「やらしいな」

「お、お前の・・せいやろ・・・はぁっ」

「ふぅん?」

井本は藤原のシャツを一気に捲り上げ、指の腹と舌先で胸の突起を転がした。

藤原の体がビクッと跳ね上がる。

「・・・っ」

「声出せ」

「・・・っ」

声を押し殺す藤原。

それが気に入らないのか、井本はすでに固くなっている藤原のソレを噛む。

「いっ!!」

赤い血が流れ、それを丁寧に舐めあげる井本。

「お前の血、甘いな」

「は?な、なに言って・・・」

「痛くされて感じてるんやろ?」

「んなわけ・・・」

「もう勃ってるやんか」

下着越しに自身に触れられ、そのもどかしい刺激に藤原の口から吐息が漏れる。

「んっ・・・はっ・・やっ」

「嫌なん?じゃあ、やめたるわ」

「えっ・・・」

井本は藤原から離れた。

目隠しによって視界が奪われている藤原は不安にかられる。

「ちょっ、井本?」

名前を呼ぶが返事がない。

「井本!」

何も見えない、体を動かすこともできない藤原は井本が自分をおいてどこかへ行ってしまったのではないかと思った。

そして、必死に名前を呼ぶ。

「井本!井本!・・・いのもと・・・」

いくら呼んでも返事がない。

次第に、藤原は泣きたくなってきてしまう。

「いのもとぉ・・・」

「藤原」

すると、突如名前を呼ばれ、むさぼるようなキスをされた。

「ふっ・・・んっ・・」

「・・・何で泣いてんねん。女々しいな」

「お、お前が!・・・」

「俺が?何や」

「・・・何でもあらへん」

「ふんっ・・・」

井本は下着から藤原自身を取り出した。

「んっ」

「やっぱり勃ってるやないか」

そして、ソレを手で扱きだす。

「あっやっ、あぁんっ」

井本の手の動きに合わせて反応する藤原。

見ると、すでにソレからは蜜が溢れ出ている。

「あぁぁっ、やぁっ、んあぁ」

そして、次第に限界が近くなってきた時、井本は手を止めた。

「あっ、な、なんで・・・」

突然、刺激を止められ、藤原は切なそうに井本の方に顔を向ける。

すると、目隠しが初めて外された。

藤原の目に最初にうつったのは、意地悪そうに微笑む井本の顔。

「い、井本・・・」

「なんや?」

「い、イかせっ・・・」

「あかん」

「やっ、なんで・・・」

「なんでやろな?」

そう呟くと、井本は藤原のヒクついている秘部に指を挿し入れた。

「あっぁぁ」

ピクリと体が反応する。

「これだけで感じるんか?」

「ちがっ・・・」

「ちがわへんやろ」

井本は指を二本三本と増やしていき、中の突起のような部分をすりあげた。

瞬間、藤原は今までにない声をあげる。

「あぁぁぁぁっ!」

「ここがええんか」

「ち、がっ・・やぁぁっ!」

しつこく何度もそこをめがけて指を入れていると、藤原のソレがビクビクと脈打った。

しかし、またもや達する瞬間に井本の手によって制止されてしまう。

「な、なんでぇ?」

「さぁ」

「イかせて・・・」

「・・・」

井本は藤原の言葉を無視して自身を取り出した。

そして、藤原の秘部にあてがい、一気に根本まで差し入れる。

「あぁぁぁっ、やぁっ、んうっ」

「・・・っ・・締めつけすぎや」

「あぁぁんっ」

「・・・っ」

井本が腰を動かすと、藤原の嬌声があがった。

「あぁっん、あっん、はぁっ」

淫猥な水音が部屋中に響きわたる。

「はっ・・・やらしい顔やなっ」

「うあっ・・・い、言うなぁっ」

「・・・っ・・」

「あぁぁんっ、うあぁっ、も、無理ぃ・・」

「ちっ・・・」

井本は藤原のソレを握っていた手を離し、腰を打ちつけるスピードを早めた。

そして、先ほど藤原がもっとも感じた場所を狙うと・・・。

「も、あかん・・・あぁん、あぁぁぁっ!」

「・・・っ」

藤原の体が弓なりにのけぞり、自身の腹に欲を吐き出す。

「・・・っ」

そして、少し遅れて井本も自身の欲は藤原の中に吐き出した。

「・・・なんで、こんなことしたんや」

「あ?」

藤原は痛む腰をおさえながら、痕がついてしまった手を恨めしそうに井本へ差し出した。

しかし、井本は素知らぬ顔で煙草を吸う。

「どないしてくれんねん、コレ」

「別にどおもせぇへんわ」

「何であんなことしたんや」

「・・・したなったからや」

井本の言葉に、藤原は愕然とした。

あまりにも理不尽すぎる発言である。

「ひどい」

「何言うてんねん、感じてたくせに」

「っ///」

「お前、マゾやったんやな?」

「・・・お前こそ、サドやないか!」

「今さら気付くな阿呆」

「・・・」

開き直っている俺様な井本。

もはや藤原は何も言わない。

「ところで、どうやって部屋に入ったんや」

「鍵あいてた」

「・・・不法侵入や」

「閉め忘れる方が悪い」

ごもっともな台詞であった・・・。

end

コメント

私の中で井藤はこんなです。

井本さんはサドだと思います。

井本ファンの方、すいません。

ですが、私も井本ファンです。

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