<可愛い奴>

知らん奴は不思議がるけど、コイツはコイツで可愛いとこあんねん。

そりゃ、確かにコイツは素直じゃないし意地っぱりだし?

おまえけに口煩いし、短気。

だけどな、コイツにも可愛いとこあんねん。

「大上いるかー?」

「おー、いるでー」

玄関から聞こえてきたドアの音と祐樹の声に時計を見やる。

さっき見た時は5時だったはずなのに、すでに針は8を指している。

俺は読んでいた本を本棚に戻し、リビングに入ってきた祐樹の方に顔を向けた。

「何か用か?」

「別に用なんかない」

「用ないのに来たんか?」

「用がなきゃ来ちゃあかんのか」

俺の言葉に、祐樹はあからさまに機嫌が悪くなる。

そして、次に来る言葉はきっと「帰る」やろな。

「帰る!」

ほらな、やっぱり。

俺は早足で玄関へと向かう祐樹の手を掴んだ。

すると、祐樹の顔は怒ってはいるが今にも泣きそうで・・・。

「はなせや」

「嫌や言うたら?」

「帰れへんやろ」

「帰らなくてええねん」

「はぁ?」

「・・・かわええなぁ」

「・・・頭おかしなったか?」

「別におかしなってないわ」

俺はそのまま祐樹の手を引き、口づけた。

「っ!?」

しかし、すぐに突き飛ばされる。

「な、なにすんねん!!///」

やっぱり怒ってる。

だけど、そない顔赤くして怒っても迫力ないっちゅーねん。

「祐樹」

「なんや」

「しよーや」

「断る!」

「無理」

そのまま、祐樹を言わゆる姫抱っこでベッドまで運ぶ。

「は、はなせー!」

祐樹は暴れるが、力では俺の方が上や。

技とかかけられたら負けるけど、今はそんな余裕ないよな?

「祐樹・・・」

「阿呆!俺は帰るんにゃ!」

「にゃ?」

怒りのあまり噛んでしまったらしい。

顔を耳まで真っ赤にさせて慌てて口をおさえているが、もう遅い。

「祐樹、お前いつから猫になってんねや」

「い、今のは違う!」

「何が違うねん」

「と、とにかく離せ!」

「あかん。今ので帰す気なくしたわ」

そう言って祐樹を押し倒す。

すると、祐樹は悔しそうな顔をする。

そんな顔されてもなぁ、俺の欲が高まるだけやで?

そのへん、わかってへんやろ。

「祐樹、愛してんで」

「・・・阿呆」

やっと観念したのか、いきなりおとなしくなる。

俺はそんな祐樹にもう一度口づけた。

最初は浅く、だんだん深く口づけていく。

「・・・んっ・・・ふっ・・・ん・・」

祐樹の口から吐息が洩れ、俺の性欲を更に高めてくれる。

「・・・祐樹」

「んっ・・・お、おおうえっ」

「名前で呼んでや」

「やっ・・・」

恥ずかしさのあまりか、顔を手で隠そうとするのを制止させる。

「祐樹」

名前を呼んで耳を甘噛みし、そのまま胸の突起へおりていく。

「あっ・・・」

「ここ、いじられるの好きやんな?」

「やめっ・・・」

「やめてほしかったら名前で呼んで」

「・・・っ・・く・・ろ・・・」

「なに?」

「く、くにひろ・・・」

「よくできました」

俺はニヤリと笑い、すでに反応しはじめている祐樹自身を握りしめた。

「あぁっ!」

ビクッと祐樹の体が跳ね上がる。

「あ、んうっ・・う、うそ・・つきぃっ」

「上はいじるのやめてやったやろ」

「そ、そんなっ・・・あっぁ」

俺はそのまま手を上下に動かし、完全に反応しきっているソレを扱きだす。

「あっ、いっやぁ・・んんっ」

俺の手の動きに合わせて体をよじらせる祐樹が可愛くて仕方ない。

「祐樹、めっちゃ可愛い」

「あ、あほうっ・・・あっぁぁっ」

「一回イッとくか?」

「あぁっん」

俺は手の動きを早め、祐樹を絶頂へと誘った。

すると、祐樹のソレがビクビクッと震え、その欲を吐き出す。

「あ、ぁぁぁあぁぁぁぁんっ!」

快楽の余韻にひたるかのように祐樹の体が脱力する。

その隙に、俺はその白濁とした欲を祐樹の秘部へと塗りこんだ。

「!?」

慌てて祐樹が抵抗しようとするが、俺のすでに侵入している俺の指がいい所をかすめると、体を震わせておとなしくなる。

「んっ・・・」

「ここがええんやろ?祐樹は」

「ち、ちがっ・・・んっ」

「嘘吐きやな」

そう呟いて、俺は祐樹の感じる所をわざといじらないようにする。

「んっ・・くぅっ・・・」

それが焦れったいのか、祐樹は目を潤ませて俺を切なげに見つめてきた。

しかし、俺はあくまで素気ない態度をとる。

「く、くにひろっ」

「ん?」

「あ、そこ・・・」

「何?」

「そこ・・・ちゃう・・・」

「はっきり言ってくれへんとわからんわ」

「・・・っ」

今にも泣き出しそうな顔をしている祐樹。

他の奴らは、コイツがこんな顔するなんて知らない。

「・・・やぁっ・・・ほ、ほし、い」

「何が?」

「く・・くにひろのが・・・ほしいねんっ・・」

「おおせのままにvv」

俺は指を抜き、たかぶっている自身を取り出して祐樹のソコにあてがった。

そして、一気に挿し入れる。

「あぁぁぁっ!」

「・・っ、ゆ、うき」

「ああっん、んっうあぁっ」

俺の動きに合わせて乱れる祐樹。

他の奴らは、コイツがこんなに乱れるなんて知らない。

「やあぁっ、んあっ」

「祐樹・・・」

「ああぁっん」

淫猥な水音が部屋中に響いていた。

「やぁっ・・ひぃっ・・あぁっ」

「祐樹、そろそろイくか?」

「ぁあっぁん」

その瞬間、祐樹の体が弓なりにのけぞる。

俺も限界を感じ、ラストスパートをかけた。

「ああぁぁっ!・・やっ、もっ・・・あ、ぁぁぁああぁぁぁぁぁあぁっ!」

「・・・くっ・・あっ・・・」

二人とも同時に果てた。

絶頂に達し、半分意識がなくなりかけている祐樹を抱きしめ、触れるだけのキスをする。

「・・・好きやで、祐樹」

知らん奴は本当に不思議がるけど、コイツはほんまに可愛いとこあんねん。

だけど、別に他の奴に知ってもらわんでもええねん。

コイツの可愛さは俺だけが知ってればええ。

他の奴になんか知られたくない。

素直じゃなくて意地っぱりで、おまえけに短気で口うるさい。

とりあえず、コイツが起きた後のご機嫌とりを考えようか。

end

コメント

クロさま、いかがでしたでしょうか?

こんなんでよろしいですか?

本当、すいません。

何だか大上さんが鬼畜っぽいです。

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