<蝶のように>
蝶のように飛びませう
貴方の罠など
私には何の意味もない
ただ蜜だけを欲して
今宵も私は蝶になりませう
「・・っあぁ」
ぎしっ・・・
「んはぁっ」
何処に触れても反応する身体を堪能する。
魅惑的に震える肢体と、誘うかのように見え隠れする赤い舌。
誘われるがままに貪り尽くす。
「あ、んんっ・・・ひあぁんっ」
決して、お前を手に入れられないと知っているのだけれど。
「あんっ・・・あ、い、イイっ・・・気持ち、いい・・」
快楽を貪欲に求める淫らな蝶。
俺の蜜だけを求めて飛んでくる。
俺がどれだけ罠をはろうとも、決してかかることはない。
なぁ、お前は誰のもの?
「・・・梶っ」
「んあはぁっ・・・に、西野ぉ」
何度もキスをした、何度も身体を抱いた。
だけど、お前はそれだけしか求めない。
俺の蜜だけを求めて、お前は舞い狂う。
「んあ、はぁんっ・・・あぁぁぁぁっ」
「っつ・・・梶っ」
お前に蜜をそそいで、お前はその蜜を貪る。
ただ貪欲に、ただ貪欲に・・・。
蜘蛛という名の俺は今宵も蝶を逃がしてしまう。
「・・・梶」
「あ、煙草の煙いった?」
「いや・・・」
行為のあと、必ず梶は煙草を吸う。
俺は煙草は嫌いやけど、梶のこと好きやから我慢する。
なぁ、俺はお前の為やったら何でも我慢できるんやで?
せやから、いい加減・・・。
「梶、好きや」
「俺も西野のこと好きやで」
「俺だけのものになってくれ」
「嫌や」
こんなやり取りを、今までに何度も続けてきた。
どうして、お前は俺のものになってくれへんねん。
「俺、そろそろ行くわ」
「梶!」
「なに?」
「今夜は、泊まっていかへんのか?」
「・・・菅さんのとこ行かなあかんねん」
「・・・」
「そんな顔しないで。男前が台無しや」
「・・・梶・・・・」
どうしてそんなに綺麗に笑えるんや。
どうしてお前を汚すことができない?
行かないで。
「梶・・・愛してんねん」
「・・・」
「俺以外の奴のとこなんか・・・」
「それは契約違反やわ」
冷たくそう言い残し、梶は俺の部屋を出ていく。
残された俺は、ただ静かに涙を流していた。
蜘蛛の罠になどかかりませう
今宵も快楽という蜜だけを求めて飛びませう
ひらひら・・・ひらひら・・・
誰か、私の羽を焼いてたもう
誰か、私に極上の蜜をそそいでたもう
「梶、西野のとこ行って来たん?」
「そうですけど?」
「ふーん・・・何か言うてた?」
「言うてました」
「・・・梶、こっち来て」
あの人とは違う蜜の味
一人の蜜では満足できない
愛なんて言葉がいらない
欲しいのは、快楽という名の蜜
「んんっ・・・はぁっん」
「んっ・・・綺麗やで、梶」
「あっ・・・そ、そこぉっ」
「ここがええんや?」
「はっぁ・・・す、菅さ、ん・・」
「ん?」
「もっと・・・」
「ああ」
蝶のように飛びませう
今宵は誰のもとへ飛びませうか
「んあぁんっ」
淫らに舞い狂ってみせませう
極上の蜜だけを求めて飛びませう
「あ、はぁんっ」
私はこの時かぎり
貴方だけの蝶となりませう
「梶、お前は誰のものやねん」
「俺は・・・菅さんのものですよ」
「・・・」
今の時かぎり
私は貴方だけのもの・・・
end
コメント
ぎゃーーーー!!!
梶くん淫乱です!すごい!
私でも抱きますよ!
と、まぁ暴走はここまでにして。
すいませんでした!!!(土下座)
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